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2019-07-21

天塩國眠れる食資源活用プロジェクト

「これってどこで産ですか?こちらは北海道・天塩産です」

こう聞いた時にあなたは「あっ、知ってる。」でしょうか?「え~っと、どこ?」でしょうか?天塩町は北海道最北部に位置し、酪農と漁業が主要産業で人口は約3,000人。かつて江戸時代は北前船の寄港、公益の要衝地として栄えた町です。札幌から海沿いの国道を北上、走ること約4時間。海と山、イトウで有名な天塩川があるゆったりと時が流れる町です。

「外交官、首相官邸・国際広報室」齊藤啓介。

その町の魅力を世界に発信しようと元外交官である天塩副町長・齊藤啓介氏。外務省時代は対ロシア外交の専門家として、国際広報室では現総理大臣・安倍晋三の海外訪問に随行、国際広報戦略に携わった彼は役場、地元の漁師、民間企業など協力者達を集め、地域創生プロジェクトを発足、今までその価値に気づいていなかった“天塩の宝物”を発掘、将来の町の財産へと変えていく“磨き上げ”が始まった。これが、今回のプロジェクト、天塩國眠れる食資源活用プロジェクトとなる。

「齊藤氏は気づいていた」

東京のマーケットでは一目おかれている日本海ブランド。ここ天塩産物もそのひとつ。海や山に囲まれたミネラル豊富な栄養源と、人の手が加えられてない自然環境など、食資源が育つ絶好の地である事。牛乳や乳製品、鮮度が際立つ魚介類、なにより安心安全な物がある。外からみた北海道・天塩の潜在能力、そして埋もれた食材達には高いポテンシャルがある事を。

「天塩漁師の第一人者・菅井好文さんが作る鮭の山漬け」

身内で食べるために保存食として代々伝わる伝統的な製法で作られる鮭の山漬け。これは冷凍庫が無い昔に本州へ運ぶため鮭に塩を何度も何度もすり込み塩漬けにして腐らないようにして運んだ事が保存食としての始まりとされている。昔ながらのしょっぱい鮭だ。この鮭を見て、食した時にひらめいた。

銀座でお世話になっている和食の達人と伝統製法の達人がコラボレーション出来たらと。。。発掘、そして磨き上げを常日頃から考えている齊藤氏は動かずには居れなかった。早速そのお店へ。気鋭の料理人として注目を集める秋山能久氏が総料理長のスーパー割烹 六雁(むつかり)。京料理を昇華した新・江戸前“東京スタイル”を提案する秋山総料理長が思う、その土地に伝わる伝統や技法、哲学を吸収消化し今の時代に融合させる思いに共感、齊藤氏の想いとも合致し、山漬けを使った新メニューの開発へと繋がった。地元の食材を積極的に取り入れてもらえるという事は非常にありがたい事だと菅井氏。今回は「山漬け餅」を試作とし、今後天塩の食資源を活用したメニュー開発を行う予定だ。

「東京の人気ジンギスカン店オーナーは天塩出身!?」

齊藤氏は眠っている町の“宝”を掘り出し、どこでどのようにアピールするかを日々考えている。いつも考えていると軌跡は起きる。ある知人から聞いた話。「東京で天塩産のしじみ」を味噌汁にして提供している店があると。。。北海道でもなかなかおめにかかれない希少な青しじみを???まさかほんとうだろうか???半信半疑でそのお店を訪ねた所、本当に天塩産青しじみを使った味噌汁が存在したのだった。しかも、店主は驚きの天塩ご出身という事で二度の驚き!これは出会うべくして出会った天塩サプライズであった。その店は知る人ぞ知る、東京・目黒の大人気ジンギスカン店「カブト」。天塩出身のオーナー多々良氏、そして天塩副町長となれば当然意気投合!話はとんとん拍子に進み、ここカブトでまさに眠れる食資源の筆頭、天塩の羊、ラム肉の提供となった。天塩のサフォーク種はまだまだ発展途上だが非常にバランスの良いラム肉で、赤身も絶品ですが、やはり旨味凝縮の白身(脂身)が格別の味わいとなっている。今天塩ではミネラル豊富な牧草と独自に配合した海藻入の穀物飼料など試行錯誤を繰り返しながら頭数を増やしている。

「至高の天塩しじみ光麺、発売決定!ミシュラン・ガイド東京2017掲載店“ソラノイロ”コラボレーション商品!」

やはり天塩と言えば「しじみ」。天塩川のしじみ貝は、古くから北海道の絶品食材「蝦夷の三絶(えぞのさんぜつ)」に数えられてきたぜいたくな食材だが、年々水揚げ量が減少して希少価値が高まっている。大粒で存在感たっぷり、うなぎに並ぶ滋養食として「土用しじみ」の習慣も根付いている。この素材をいち早く商品化へ向けて動き出した齊藤氏は、昨年から期間限定で食資源を提供しコラボメニューを実現している麹町のソラノイロ。ソラノイロと言えば「女性が一人でも気軽に。」をコンセプトに既存の概念を覆す新しいラーメンを生み出し好評を得ているラーメン店。天塩とのコラボレーションは過去に「ソラの天塩しじみたっぷりちゃんぽん」や白貝を用いたラーメンを提供。店主・宮崎千尋氏は毎回提供される食材をどう表現し、皆様の記憶に残る味を提供できるのかを考え渾身の一杯を作ってきた。そして今回は国民食ともいわれるカップラーメンの監修を依頼。具材は一切入らず、麺とスープで勝負する他には無い、シンプルで贅沢な内容に仕上がっている。

「飲み物からスイーツへ、ハピキラFACTORYが仕掛ける「とろパンナ」誕生。」

天塩町・サラキシという地域で広大な牧場を経営する若き酪農家がいる。宇野ファーム・宇野剛司氏。ふるさと納税で一躍有名になった、ユニークな商品名の飲み物「トロケッテ・ウーノ」がある。これは牛乳豆腐をヒントにした商品で搾乳した生乳を併設工場ですぐに加工、今までにないトロッとしたミルク感、今までにない喉越し感の飲み物となっている。さらに北海道チャレンジ企業賞を受賞したこの商品を海外への売り込みを考えていた。齊藤氏は天塩町が情報感度の高い人に刺さるプロダクトを女の子たちとつくりたいとう想いがあり、「地方×女の子」ビジネスの第一人者として多方面で活躍のハピキラFACTORYへ依頼。飲み物からスイーツへ新たなトロケッテ・ウーノの開発へとなった。ハピキラFACTORYは、「かわいい」を入り口に地方を元気にしていく活動を正能茉優代表、山本峰華さんのお二人で地方にある魅力的な商材をプロデュースされている。今回の新商品はプレミアム感、リッチ感などワンランク上の商品をテーマに開発される。今後はその他、乳製品の開発など様々な展開を宇野氏は進めている。

「エリオ・ロカンダ・イタリアーナとの出会い」

齊藤氏は大のチーズ好き。チーズソムリエの資格を持つほどのチーズ舌をもつ。世界各国を訪れる度に食してるチーズの中で特に好きなのがブッラータ。日本では東京麹町に南イタリアの伝統的な料理を提供する・エリオ・ロカンダ・イタリアーナ。ここで出会ったブッラータ、あまりの美味しさに聞いてみると帰ってきた答えが。。なんと北海道産のブッラータを使用しているという。齊藤氏はこのチーズに惚れ込み、しかも北海道産のチーズという事を知り、ここでも北海道の底知れぬ食材と出会う事になる。エリオ・ロカンダ・イタリアーナのオーナー・エリオはリアルな声を聞ける現場にいるレストランオーナー。食に対する想いは強く、今回の天塩訪問にもつながっている。実際に自分の目で見る。人と合う。話す。食す。時間を共にする。これが理解する上で間違いのないとエリオ氏は言う。南イタリア・カラブリア育ちのエリオ氏、天塩は故郷にとても似ているようだ。ここには愛情を持って食材に触れ、大切に扱っている様子を直接見れた事は大変大きな収穫だったと。まさに眠れる食材の宝庫でもあり、エリオ・ロカンダ・イタリアーナで提供するメニュー、そして新たな食品開発など、食通をうならせる手応えをダイレクトに感じたようだ。3月22日、千代田区にあるイタリア文化会館にて天塩食材をベースにエリオ・ロカンダ・イタリアーナはオリジナルのメニューを発表し、招待客に振る舞う予定だ。

「天塩國眠れる食資源活用プロジェクトを取材して」

いずれの協力店は国内屈指の一流店ばかり。食に対する思いをきちんと料理で表現し素材感を損なわないようお客様に繋いで頂ける最強の布陣達。ここから発信される天塩ブランドの食材は確実に「安心・安全の食材」という認識になる。地元では気が付かなかった食資源を地産地消の枠を越え、食通が集う有名店へダイレクトにアプローチをする。確かな物だから出来る事だ。新しい地方創生のあり方を具体的に進めている町、天塩。

これから多くの食材やこの思いを受け継ぐ人材を発掘し、磨き上げる素晴らしい機会がこのプロジェクトなんだと感じる事が出来た。

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