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2019-08-25

感謝の意味を正しく知る。

―――普段から「ありがとう」という言葉を使って感謝していますがそれとは、どんな意味が違うのですか?

何かをもらったから感謝します!」じゃないのよ。今日この方にお会いできてよかった。「ありがとう」と思う気持ち。それが感謝なのよ。「ボーナスの支給額が上がったから感謝!」じゃないのよ。

感謝することができないのであれば、体が大人でも未成年と同じです。そういう意味で、日常の事に感謝できる人は、身体が成長すると同時に心も成長していきます。それが自分(の心)を育てるということですよ。

親が自分が子どもを叱っている場合じゃないんです。自分が育っていない状態で、子どもを育てるのは厚かましいと私は思います。まずは、自分の中の感謝の気持ちを育てましょう。

そして、親御さんは日常の感謝を表す言葉を正しくしって、その言葉を自分の子どもにかけてほしいんですよ。

―――「おはよう」「いってらっしゃい」「おかえり」「おやすみ」「ごちそうさま」などでしょうか?

そう。親が子どもに言わないと、子どもは感謝を表す言葉を使えなくなってしまいます。そう思いませんか?育てる大事さとは礼儀作法ですよ。挨拶。親がまずはちゃんと挨拶しなくてはね。親が使ってない言葉を子どもに言わせるなんて無理ですよ。

日頃から親が子どもに声を掛けていると、言葉が自然に返ってくる。それが「反射」というもの。返ってきた子どもの声の調子で体調や気持ちが親がわかるようになってきますしね。育てるってそういうことでしょ。

―――チズさんは「料理」って言わないで「おかず」と呼ぶという話を聞きました。「おかず」というと言葉に温かさを感じます

家で料理家みたいにハードルが高い料理をつくる必要ないじゃない。家庭ではおかずをつくればいいのよ。「おかず」と言った方が愛情があるじゃない。「今日はこんな料理を作ったよ」というより「今日はこんなにたくさんおかずがあるわよ」と子どもに話すと、「ええっ!お母さん今日はどんなおかず?」と子どもが喜ぶと思うの。「おかず」という言葉を使うと、自分が好きなおかずが頭に浮かんでくるでしょ。いろいろと言葉を変えてみると、子どもはいろいろな反応をするのよ。

―――「おかず」を通して子どもとコミュニケーションが取れますね

そうそう、そうなのよ。おかずを作りながら、おかあさんが黄色いニンジン、紫のニンジン、オレンジ色のニンジンの説明をするでしょ。子どもが小さいから意味がわからないと思わずに話してあげなさい。そのときには意味がわからなくても、聞いているだけでDNAの中にその記憶が入っていくんですって。そして、大人になったときに「あっ、この紫色のニンジン見たことがある」と思い出す。親が、子どものときに成長DNAに情報をインプットしてあげるの。そうすると、その子が24歳、25歳になって成長が止まった後に「紫色のニンジン」の記憶がよみがえるそうです。

それが五感教育。子どものときに情報がインプットされていないと、大人になっても何も出てこない。色、香り、苦い、甘いの味覚、そして聴覚ね。葉っぱを触るとこういう感覚なんだという触覚もうそうよ。この5つの感覚を7歳のときまでに教えておくといいそうです。

―――最近の大人は、親の理想に合わせた子どもにしたいというのが強いそうです。それに関してどう思われますか?

子どもが何をしてほしいのかっていうことを知ってあげることがまず先決じゃない。

親の意見を子どもに話して聞かせることだけが教育ではないんです。子どもをよく見て、そして自分自身も知ることが、子どもも自分も育っていくことだと思いますよ。子どもが何したいのかを見ていない、知ることもしないで、子どもを育てようなんて厚かましい。

大人はね子どもに期待しちゃだめよ。赤ちゃんのときはまだ何にもわからないのだから。それよりも、子どもは親に自分のことを知ってほしいと思っているわけだからね。子どもは泣いて、親へ信号を送っているのよ。「おしっこ、おしめが濡れている、お腹が空いた」とかね。日々のその信号をキャッチしてあげないとダメですよ。

私の仕事もその延長ですよ。相談にきていただいた方に「どうしたんですか?悩みはなんですか?」って聞いてあげるの。悩みが毛穴やシミだというときには、どうしてそれができたかということを一つずつ聞いていきます。

子どもを育てることと同じように、キレイになることも身体や肌に一つずつ聞いていくことと同じなんです。

子どもは授かりもの―――最近、瓶づめの離乳食にも無添加や有機栽培のものがあるん

無添加物とか、有機栽培とかの食べ物は高いでしょ。だから添加物がたくさん入っている安い瓶詰の食を与えている親も多いようです。「子どもを添加物づけするの?」って私は思ってしまう。子どもはこれから成長するのだから、高くても添加物が入っていないものか、安全な食べものを選ぶくらいの努力はしてほしいですね。私だったら、自分を削っても子どもにいいものを食べさせたいです。自分が作ったものを食べさせるのが親ですよ。

お母さんが瓶詰の食と同じものを作れば、同じ金額で倍以上の量を作れるはず。親になるのなら、それくらいの忍耐と覚悟と努力が必要でしょう。

神様から授かった子どもです。私はこの子を元気に育てます。美味しいものをちゃんと作って食べさせます。ちゃんと子ども向かい合って育ててほしいですね。

―――三つ子の魂100までという言葉がありますが、やっぱり覚えているんですかね。

子どもは3歳までの間に基礎が形成されて、7歳から基礎が知恵になっていくといいます。7歳まで基礎を覚えるのよね。

これまでにたくさんのスタッフの面接や教育をしているからわかるのだけれど。この人には何を教えても無理だなって感じるときがあります。礼儀作法の基礎がなっていなくて、教育を諦めることもあります。そんな中、10教えたら10身に付くスタッフもいます。

逆に親の育て方に感謝しなさいと思うときもあります。例えば、肌が白い方とかね。「こんなに白く生んでもらって、あなた感謝しなさいよ」って。お母さんは、あなたが子どもの時に太陽にあたらないように注意していたはずだからと思うのでそれを話しています。

親に感謝して、私のいうことを素直に受け取れる方はキレイになれる。これも親の教育の一環だと思います。

―――子どもとは友達関係でいたいという母親がいるようですが

その考え自体、まず子どもが嫌がると思いますよ。友達みたいな親子というのは大人になってから築けばいい。大人になってから、「あなたお母さん若いわね」周りから言われて、嬉しいと思うように子どもを育てるのが親の役目なのよ。子どものころから子どもと友達というのは、それでは子ども以下よ。子どものほうが精神的に成長していると思いますよ。

子どもは24、5歳まで成長期です。そこまでは親の責任として育てていかなければダメだと思います。必要なことを教えたり、間違ったことをしたら怒ったり。教育というのは家の中の様々な事柄も含めて教育なのよ。

歳を重ねたら夫婦が一番

男性は女の選び方をしっかりしなきゃだめよ。結婚した後の女性は、子どもを生んで育てるという大きな役目が待っているからね。美味しいものを作って、元気に「いってらっしゃい」って送り出してくれる奥さん。そして子育てを自分の手でしっかりやってくれる人。それが最高の結婚条件よ。美人だけの女性なんて3日一緒にいたら飽きるから。

私は主人が早くに亡くなってしまったけれど…。生前は主人にいっぱい尽くして、尽くして、尽くしてあげたの。私本当に主人のこと大好きだった。結婚生活は楽しかったですよ。ケンカをしたことがなかったのよ。優しくすればすればするほど、主人が応えてくれたからね。結婚してからが恋愛みたいなものだったですから。

結婚相手から「家内」と呼ばれることが憧れでした。「だんな」じゃなくて、「主人」と言えることも憧れでね。それを叶えてくれたのが主人だったの。プロポーズされて、私の理想の人だと思って結婚しました。結婚してからもずっと働かせてくれたし、「仕事を続けられれば続けなさい」と言ってくれて、私は仕事を続けさせてもらったのよね。子どもはできなかったけれど、主人には感謝しています。

―――チズさん、とっても幸せそうな声でご主人の話をされますね

人生って一度きりだから、好きな人と結ばれたら楽しい結婚生活送らないとね。子どもが授かったら感謝して、子どもと会話しながら、出会えたことに感謝して、自分を育てていってほしいと思います。そしてハグをしてもらってくださいね。

【プロフィール】

佐伯 チズ(さえき ちず)さん

美容家

1943年生まれ。フランスの化粧品メーカーやゲラン社やクリスチャンディオールのインターナショナルトレージングマネージャー職を経て、現在、エステティックサロン「サロンドール マ・ポーテ」を開業。現役のエステティシャンとして活躍中。女性が「キレイ」になる美容法を広める伝道師として講演や執筆活動やメディア出演など多彩な活動を行う。2012年から成安造形大学の客員教授も務めている。

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